朝、デブ、電車にて
実は明日から断食修行に行こうと思っていたんですけど、
「予約を一週間前からしないとダメデスヨ。(断食なめとんのかおめーという含みをもたせながら)」
と、ビジネスライクな喋り方でお坊さんに断られたので絶望しながらのシルバーウィークですこんばんは。
くらしレシピくんは毎朝、通勤ラッシュをぎりぎり通り越した辺りの時間帯に
電車にのっているので、途中駅で座れる可能性が非常に高い。
しかも直通で目的地まで向かってくれるので、
乗り換えなしで会社に通うことができるのデス!!
こうした通勤環境は、高校・大学と電車を3本乗り継いで、
さらにはそこからバスなんかを使って通っていた人間からするととってもらくちんで、非常にありがたいもの。
しかしこれらの要素が、裏目に出てしまうことがままあるのです。
それは先週の話でしたが、寝不足頭のくらしレシピがうつらうつらとオチようとしていたところ、
気がついたら隣には非常に恰幅のよい女性が。
そして手にはマクダーナルの袋。
おれ「アッーーーーーー!!(心の声)」
案の定、女はマクダーナるの袋をおもむろに開け、
Mサイズのポテトを食べ始めた!!!!111
グアっカッ
は…………
朝、ちょっとばかし空間に余裕がある時間帯ともなると、こんなことをしてしまう人がでてきてしまうのです。
食べたくもない時に嗅がされる油のにほひとは、何と不快なものなのでしょう。
私は必死にタオルで口と鼻を塞ぎ、デブ直結食のにおいを遮断することにつとめた。
だがそれにも女は全く目もくれない。
となりで私がヨロヨロとうごめいているにも関わらず。
デブはデブ食を食らう。
もう、全身全霊で不快だ。
デブがデブ食を電車の中で更にデブになっていくのを、私は鼻と目で感じとっているのだから。
注意、するべきなのかもしれない。
以前、付き合っていた男子と電車に乗っていたとき。
軽やかに会話を交わしていると、彼はふと目の前に立っている男性へと目を向け「すみません」と声をかけると
指で自分の耳をさしながら、「ちょっと音、小さくしてもらえますか」と、何ともさりげなく注意を促した。
このさりげなさに、当時の私は大層感心したものだ。
電車のなかで不快なことが起きても、人はなかなかにそれを注意できない。
せいぜいついったーかなんかで「目の前の男のヘッドホン音だだもれうるせー。非常識すぎ。シネ」とか書いて苛々を発散させるぐらいだろう。
だから、きちんと相手に注意できる人を私は大変尊敬した。
それも全くいやらしくないのだ。
それはちょっとは、彼女の前でいい顔しようみたいな思惑があったのかもしれないが、
にしても、普段からきちんと人に注意できる人間でないと出来ないような注意の仕方だったのだ。
それ以来私も、何か不快なことがあった場合は注意するように努力をしてきた。
だから、この女にも注意をするべきなのかもしれない。
だがしかしこの時の私は、内に秘めたる感情があまりにも凶暴だった。
このままでは「おめえそんなっだからデブになるんだ!!!!!!!1111」
と言ってしまいかねない、そんな状況だったのだ。
更には私にはひとつの懸念があった。
それはマクダーナルの常識。
「鉄は熱いうちにうたなければ、ポテトは冷めぬうちに食べなければ、それはただのイモであり、まずい。」
そう、冷めたポテトはマズイということだ。
君は知っているか。
熱を失ったマックのポテトのクソマズさを。
そう、今このデブおばさんに注意をすると、
電車を降り、会社に着いたところで、冷えきったポテトを食べることになってしまう。
それはあまりにも、あまりにも不憫…………………
だから私は諦めた。
何もかもを。
このデブを更に太らせることも、
そしてデブが同じくマックで買ったジュースの氷をガッシボコにかじって非常に五月蝿い中でも、
私は何もかもを諦めた。
太ればいい。
全てはかみのみこころに。
その時私は悟りを開いたのだ。
デブを諦めるということを。
順調に太りゆく私の身体は、ウィィィイフィットで何とか頑張っていただくとして、
自分の甘い気持ちから、周りの迷惑も垣間みず、朝マックを電車の中で食べてしまうような
自分勝手なデブを。
おばさんもウィィィィフィットしたほうが、いいと思った。
そういうわけで、断食をして更なる悟りをひらこうと思っていたのだけれども、
本当に残念です。ああ。ほんとうに…でもちょっとホッとしてる自分もいたり。
